雑穀の種類

 きび 

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黄色が美しい雑穀。『黄美』が語源できびになったとも言われています。

ビタミンB1、ビタミンB6、亜鉛、ナイアシンが豊富。

黄色い色はポリフェノーで抗酸化に優れています。

市場に出回っているものはほとんどがモチ種なので『もちきび』とも呼ばれ

穂の形状が稲に似ていることから東北地方では『いなきび』とも呼ばれています。

モチモチとした食感で甘みが強く、料理に使いやすい雑穀です。

 

 

 

あわ

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あわは『風味が淡い』ことに由来。あっさりと癖がなく上品で食べやすい。

抗酸化性が高く、肌荒れや日焼け肌の回復に効果のあるパントテン酸の含有量は雑穀中で一番。

原種は雑草のエノコログサ(ねこじゃらし)と推定されます。

成長すると穂先がキツネの尻尾のようになることから英語ではFoxtail milletと呼ばれています。

黄色のあわの他に白あわもありますが、ほとんどがモチ種です。

黄色い色はポリフェノール色素でビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、カリウム、リン、鉄、亜鉛を豊富に含みます。

 

 

 

ひえ

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あわと並んで日本最古の穀物とみられ癖のない味わい。

ひえという名前は『冷え』に耐えることに由来しているともいわれる程、寒さに強く、寒冷地や高知での栽培が可能で救荒作物として栽培されてきました。

形はきびやあわのように丸ではなく、四角くてごつごつした形です。元々自然界にあったひえはうるち種ですが最近ではもち種、半もち種のひえも育成されています。

含有タンパク質には血中の善玉コレステロール値を高める作用があり、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、カリウム、リン、亜鉛を多く含みます。

 

 

 

 たかきび

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原産地はアフリカ、紀元前3000年以前には栽培されていたと考えられています。日本ではもろこしとも呼ばれ、中国ではコーリャン、英語ではソルガムと呼ばれています。

赤みを帯びた色、弾力のある食感がひき肉に似ているのでひき肉の代用食として使われることが多く、英語ではミートミレット(肉の穀物)と呼ばれます。

表面の赤褐色にポリフェノール色素を含む為、抗酸化作用があり若干のえぐみも感じられます。

ビタミンB1,ビタミンB6,カリウム、リンが豊富です。グルテンフリーなので白たかきび(ホワイトソルガム)は小麦アレルギーの代替食としても使われています。

 

 

 

はと麦

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雑穀の中でも一番粒が大きい雑穀でジュズ玉の変異とされています。丸くふっくらとした形状が鳩に似ていることが名前の由来です。

漢方でも使われていて生薬名はヨクイニンと呼ばれます。はと麦に含まれるコイクセノリドという不飽和脂肪酸には抗ウイルス作用、抗菌作用、肌の新陳代謝の促進、

利尿作用、解毒作用があります。タンパク質が豊富でアミノ酸の含有量は穀物中トップクラスですがリジンは不足しているので大豆や他の食品と組み合わせて食べると良いでしょう。

ビタミンB群、カルシウム、亜鉛、カリウム、鉄などのミネラルも豊富に含まれています。

 

 

 

 

 大麦(丸麦、押し麦、裸麦、もち麦など)

プレバイオティクス(腸内の善玉菌を増殖、活性化)の働きをする糖類が雑穀中で最も多く、腸内菌相の改善、免疫力の向上、がん予防、コレステロール低下、アレルギー予防などの効果があります。

食物繊維の含有量がとても多く、白米の20倍。水溶性食物繊維が豊富なことも特徴の一つ。

もち種の大麦をもち麦と言い、人気の雑穀。

 

 丸麦

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大麦を精麦したもの。プチンプチンとした麦らしい歯応えが特徴。

 

 

  押し麦

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とろろ汁をかける麦飯でおなじみの押し麦。丸麦を蒸してローラーで押しつぶしたもの。

調理しやすく、食べやすく、消化しやすいように加工されている。

ビタミンB1を強化したもの、胚芽を多く残した胚芽押し麦もあります。

 

 

もち麦

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白米と同じように大麦にも『うるち種』と『もち種』があります。

もち種の大麦をもち麦と呼び、粘りがありプチプチした食感が特徴です。

一番の特徴はβグルカンという水溶性食物繊維を多く含むことで

不溶性食物繊維と合わせると精白米の約20倍の食物繊維を含んでいます。

水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなる他、水に溶けるとゲル状になるので胃の中の食べ物を包み込んで胃や腸をゆっくりと移動するので小腸でのデンプンの消化吸収が穏やかになり、血糖値の急激な上昇を抑制するなど糖尿病の予防食治療食としても有効です。

またコレステロール合成の元となる胆汁産と結合してコレステロールを体外に排出する働きもあります。

 

 

 はだか麦

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日本独特お麦の品種。

『はだか』はだかは精麦時に外皮が簡単にはがれることに由来。

耐寒性が弱いのでおもに中国、四国、九州で栽培されています。

うるち種なのでパラパラッとした食感です。

 

 

 そばの実

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そばはタンパク質やビタミンB群、ミネラルの他、そば特有の成分でポリフェノールの一種『ルチン』を含む栄養価の高い食品です。

ルチンには抗酸化作用があり、高血圧を予防します。ルチンは水溶性で茹でるとお湯に溶けだすので蕎麦湯を飲むのは理にかなったことです。

 

 

 そば米

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そばの実を茹でて乾燥し、殻を取り除いたものがそば米です。白米と同じように炊いて食べられます。

呼び方は地域によって異なり、長野県では『そばまい』徳島県では『そばごめ』と呼びます。

 

 

 アマランサス

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鮮紅色の穂をつけて2メートルくらいにまで成長し、紐鶏頭(ヒモケイトウ)仙人穀(センニンコク)とも呼ばれます。

南米アンデス南部の山岳地帯が原産で日本では岩手、秋田、長野などの寒い地域で栽培されています。

雑穀中、最小の粒ですが栄養価は驚異的に素晴らしく、タンパク質の含有量が多く、アミノ酸バランスは抜群。

雑穀には比較的少ないカルシウムの含有量が多い。ビタミンB6、葉酸、鉄、亜鉛は雑穀中でトップレベルでビタミンE、パントテン酸、カリウム、リン、マグネシウム、食物繊維も多い。

 

 

 キヌア(キノア)

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南米アンデスでは『母なる穀物』と呼ばれる栄養バランス抜群の穀物。

アメリカのNASAが『21世紀の主食になる』と発表したことで世界中で知られるようになりました。

南米ペルー、ボリビアからの輸入がほとんどですが、ここ数年日本国内でも栽培が増えてきました。

国内の主な生産地は北海道、山梨、長野、徳島などです。

タンパク質、カルシウム、鉄などのミネラル、食物繊維などが豊富で、特に必須アミノ酸のリジンの含有量が多く、アミノ酸スコアが82と高い。

加熱すると胚芽部分白いひげのように出てくるので、このひげが出て粒が透明になったら茹で上がりの目安です。

 

 

 黒米

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黒い色はポリフェノールの一つ、アントシアニンで抗酸化作用があります。

体内の活性酸素を消去し、生活習慣病の防止、老化防止、美肌効果も期待出来ます。

古代米の一つで有色米とも呼ばれ、種皮部分に色がついているので健康機能が高いもこの部分。

鉄、マグネシウム、カルシウム、カリウム、食物繊維が豊富。日本で出回っているものはほとんどがもち種なので、炊くと粘りが出ます。

 

 

 

赤米

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赤い色はポリフェノールのタンニンで抗酸化作用があります。

日本に稲作が伝来したのは今から3000年以上前の縄文時代中期とみられていますが、そのお米が赤米で日本のお米ルーツになったと推測されています。

赤飯の起源は赤米を蒸したものと言われ、魔よけの赤色として珍重されたという。

 

 

 緑米

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 美しい翡翠色のお米で緑色は光合成色素のクロロフィル。 

稲穂は普通の稲と変わらないが玄米にすると綺麗な緑色になる。

色移りがほとんどのでお料理に使いやすい。もち種なのでもっちりとした食感。